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[元米陸軍大尉加藤喬氏 談話] 名誉除隊 4
2006年02月24日
 {米国防総省外国語学校日本語学部長 加藤喬(かとうたかし)さん}

---- 1995年、熊本県で行われた日米合同指揮所演習「山桜」(作戦名)に参加しましたね。

加藤: 武器を携行し作戦行動をとる実動演習ではなく、日米をコンピュータで連結した3週間強のハイテク机上演習でした。演習開始後は24時間態勢となり、陸上自衛隊の精鋭部隊演じる仮想敵相手にコンピュータ上で戦闘が展開されます。米空軍・海兵隊の航空部隊との連携、天候の変化、後方支援、難民保護、捕虜管理なども同時進行する複雑な演習です。仮想敵が陣取る天幕に、我々は立ち入り禁止。要所には米軍憲兵や陸自警務隊員(憲兵に相当)が警戒、身分証をチェックする物々しさは実戦さながらです。

---- 加藤さんの任務は。

加藤: ナショナル・ガード(州兵部隊)語学情報大隊の大尉で、語学兵約25人の指揮官として、まずは演習前の親善パーティーの通訳を部下にやらせ、自衛官とのコミュニケーション作りから始めました。正式任務は演習のシナリオや命令書など、文書の翻訳や戦況説明などでの通訳。米軍と地元の人々との文化交流を手伝ったり、駐屯地周辺の家庭に招かれた将兵に付き添い通訳したりと、草の根レベルの日米相互理解にもいくらか貢献できたかなとも感じています。

---- 日本人にとり、州兵部隊は理解しにくいようです。

加藤: 州兵部隊とは平時は各州知事の指揮下で災害救助や大規模暴動の秩序維持、麻薬取締局(DEA)支援まで実施します。有事には大統領の指揮下に移り、正規軍を補佐します。現在、イラクでも州兵部隊が多数展開中です。州兵は年間の一定期間、訓練を受け、技量を維持し、普段は民間人として働いています。私の場合、民間企業ではなく国防総省外国語学校に軍属教官として仕事を得たわけです。州兵は、植民地時代に作られた民兵から発展した市民軍組織という位置づけ。もっとも、軍服・階級章も正規軍と同一で、正規軍との見分けは難しいでしょう。

---- 「山桜」で見た陸上自衛隊は、どう映りましたか。

加藤: 極めて優秀で、紳士的。規律と練度の高さがうかがえ「すがすがしい武人集団」だと思いました。

---- その自衛官と同じような顔をした人物が、米軍人として同じ場所にいた。

加藤: 一歩町へ出れば、瞬時に周りの風景に溶け込める自分に改めて気付きました。でも、仲間の米軍将兵らと全く同じ軍服を着ながら、どこか違う。一方で、地位協定によりパスポートも持参しておらず、日本で身分を証明するものが何もない。部隊と一緒でないと、出国しようにも出来ない。日本人であって日本人でない自分。幽霊のような存在に感じました。

(聞き手 野口裕之)
2006年02月24日 産経新聞2面記事
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