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[元米陸軍大尉加藤喬氏 談話] 名誉除隊 3
2006年02月23日
 {米国防総省外国語学校日本語学部長 加藤喬(かとうたかし)さん}

---- 米国は交信傍受システム「エシュロン」を通し、一部同盟国も含め世界の交信傍受をしているとされます。米国防総省外国語学校(DLI)との関係は。

加藤: 日本語は同盟関係維持を前提とし、日米間の戦略・戦術・作戦に関する意志疎通のために教育をしている側面が強い。ですが、他の言語は確かに、通信傍受や尋問を重視しています。この点において、日本語は”味方の言語”としての教育に重点が置かれています。現在、学生が増えているのがアラビア、中国、韓国語。変遷する国際情勢により主流となる言語を注視していれば、米国の中長期国際戦略が見えてくるとも言えるでしょう。

---- 教え子は日本で活躍していますか。

加藤: 沖縄や座間(神奈川県)などで勤務しています。自衛隊幹部学校や防衛研究所に留学後、ペンタゴン(国防総省)や米国大使館などで日本関係の任務に従事する者もいます。そういえば、イラク駐屯中の語学兵が「英語のわかるイラク軍将校を二人で尋問する際、日本語が役立っています。我々が日本語で相談するのを聞くと、キツネにつままれたような顔をしています」などと、電子メールで教えてくれました。そんなまな弟子が世界中に、100人近くはいるのではないでしょうか。

---- 特殊な日本語の教育は難しくはないですか。

加藤: 日本語と英語がわかるだけでは駄目。自衛隊の「不可思議な言葉」も理解しなければ務まらない。例えば「特科」は民間人通訳が漢字の意味合いだけから訳せば「スペシャル・フォース」になり、「普通科」は「オーディナリー・フォース」というわけのわからない訳になる。それぞれ、実態は「砲兵」「歩兵」なのに、自衛隊創設期に「陸海空その他の戦力は保持しない」とした憲法第9条の手前、軍隊の国際的呼称に準拠しなかった結果だ。同様に「MP」は「憲兵」ですが、”一部市民”が持つ陰惨なイメージを避けるためか、自衛隊では「警務隊」と邦訳します。ひとつの英語に二通りの邦訳を覚えなければならず、学生は難儀しています。

---- 最近は日本語も崩壊しつつありますが。

加藤: DLIでは、品格のある日本語を教えています。自衛隊の高級幹部の前で「僕」「俺」「あんた」「君」などと言ったら、米軍の信頼も地に落ちます。上品で洗練された日本語をマスターした後、状況に応じたくだけた言い回しにするのはたやすいことですが、その逆はまずできないからです。ですから、DLIの学生が若い日本人留学生と話すと「ヘンな日本語。ふっるーい」と言われるそうです。そんな時は「よくやった」と褒めてやります。

(聞き手 野口裕之)
2006年02月23日 産経新聞2面記事
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