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北京 貧富の格差都市内も拡大 北京暴動”寸前”
2006年02月13日
 中国政府が、都市住民の格差問題に警鐘を鳴らし始めた。これまで都市と農村の格差については問題視されてきたが、最近の調査では都市住民の収入格差も、ジニ係数(格差の指標)で「警戒ライン」上の0.4前後に達し、2008年の五輪を控えた北京では、暴動リスクをはらむ「危険ライン」である0.5前後に達しているという。急激な経済成長の一方で、ジニ係数も急速に上昇しており、早急に対策を講じなければ、社会不安が更に拡大するとの指摘が専門家からもあがっている。

 富裕層と貧困層の格差は、北京の街をざっと見渡しただけでも明らかだ。北京シャングリラホテルがこのほど、バレンタインデーに向けて売り出した宿泊パッケージは、1泊99,999元(約150万円)。永久の久と九の字をかけた”縁起商品”で、99本のバラとダイヤの指輪、スパ付きのプレジデントルームでの特製ディナーなどがセットになっている。まだ予約は入っていないというが、若者からの問い合わせは多いという。

 ブランドものに身を固め、街を闊歩するカップルたち。しかし、同じ街には、数百元の月給で奉仕する家政婦や、賃金を踏み倒されて故郷に帰れない出稼ぎ労働者、高級マンション建設の為に住み慣れた家を追い出されたホームレスがあふれている。

 北京市で昨年暮れに開かれた「人口発展と社会調和」フォーラムでは、こうした貧富の格差の現状が危機感を持って訴えられた。中国社会科学院の専門家によると、北京の所得格差はジニ係数ですでに0.5前後。これは上位25%の金持ちが、地域の総所得の75%以上を占める状況だ。同じ職場の管理職と一般職員の収入格差が平均約13倍に達していることや、保険セールスマンの最高年収が24万元なのに対し、富裕層が雇う家政婦の年収はわずか6,500元であることなど具体的な例が示され、格差拡大の警鐘が鳴らされた。

 また、同院が最近発表した調査では、中国全国の都市住民の所得格差も、0.4前後の「警戒ライン」上にあるという。

 この調査結果について、李迎生・人民大学社会学部教授は中国紙上で、「低所得層に”剥奪感”が生まれ、心理バランスが崩れ、社会報復行動に出る恐れがある」と延べ、暴動などによる治安悪化への懸念を表明している。

 中国では、これまで農村と都市の収入格差が大きな社会問題とされ、2004年のジニ係数は0.45-0.53(国連人類発展報告)にまで拡大。農民暴動件数が公式発表でも74,000件を超えるなどの社会不安状況が目に見え始めていた。このため、胡錦濤政権は農村の余剰労働力を都市に移動させることで農民の収入向上を狙ったが、都市の雇用創出や社会保障整備が間に合わず、都市内に大きな格差と暴動リスクまで流入させてしまった格好だ。

 昨年4月に北京で発生した暴力を伴う反日デモも、こういった格差による暴動リスクの表れだとする見方もあり、五輪を控え、国際イメージと治安を守らねばならない北京にとって、「格差是正」は切迫した問題になっている。

{ジニ係数}
所得配分の不平等状況を示す係数。0から1の間を推移する統計指標で、0に近いほど平等となる。一般に0.3-0.4は、格差もあるが競争も促進され好ましい面もあるとされる。「警戒ライン」の0.4を超えると、社会不安を引き起こす可能性があり、「危険ライン」の0.5を超えると、慢性的に暴動の危険をはらむ。2005年に経済協力開発機構(OECD)が公表した各国のジニ係数は日本が0.31、米国が0.36。

【北京 福島香織】
2006年2月11日 産経新聞5面記事

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