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米ブッシュ大統領一般教書演説 対テロ戦争成果自負
2006年02月03日
 米国のブッシュ大統領が1月31日夜(日本時間1日午前)に行った一般教書演説は、劇的な訴えの少ない語りかけとなったが、イラクでの治安回復と民主国家建設の進展や、対テロ戦争全般の成果への自負が根幹となる形となった。イラクなどでの「自由」や「民主主義」の目標の達成を誇りながら、自国の国内政策へも改めて積極的に取り組み、米国社会の「希望」を求める姿勢が目立った。

 五十数分にわたる演説で議場からの拍手が最も長く、最も強く鳴り響いたのは、ブッシュ大統領がイラクでの米軍将兵男女の「犠牲」を語り、戦死した海兵隊員の夫人と両親を紹介したときだった。大統領が同隊員の「決してひるまない」という家族への手紙の内容を伝え、まだ女子学生のように若い夫人を紹介すると、民主党議員も含めて、満場の強烈な拍手が2分近くも続いた。

 大統領のこのアピールの背後には、米国内でいま共和、民主の両党が党派性の激しい外交論議を戦わせる中で、イラクについては民主党もブッシュ政権の政策に難色を示しながらも、なおイラク国内でテロ勢力と戦い、治安維持に努める米軍将兵への敬意は十分に表し、イラクの民主化という基本目標には賛同するという実態がある。

 大統領は遺族の紹介に先立ち、イラク情勢を論じ、なお困難は多いとしながらも、民主主義の主権国家へのプロセスが着実に前進したことを強調し、イラク国軍の役割の拡大がテロ勢力を抑え、米軍の「勝利の撤退」も視野に入れたことを力説した。

 確かに米国内で、「イラクの民主化は不可能」とか「内戦があるのみ」と断言していた反ブッシュ勢力にとっても、昨年3回のイラクでの全国選挙の実現や新政権、新憲法の誕生という情勢展開は、ブッシュ政権のイラクの民主化の成果を基本部分で否定することを難しくしている。

 ブッシュ大統領は、その成果への自負をにじませる形で演説を進めた。対テロ戦争全般でもアフガニスタンの民主社会の建設を実例に挙げ、「自由の成功は誰も否定できない」と強調し、持論である「自由と民主主義の拡大が、米国にとっても世界にとってもベスト」という主張をくどいほど繰り返した。

 大統領は2001年1月の就任以来、厳密な意味での一般教書演説は今回が5回目だが、当初から対外戦略については、民主主義と個人の自由の拡大を最大指針に挙げてきた。

 昨年の一般教書演説でもイラク問題の解決も、中東の安定も、米国や全世界の安全保障も全て個人の自由の拡大、つまり民主主義の拡大こそが、最善の対応だと反復してきた。対テロ戦争でも、個人の自由拡大がカギという主張は、果敢な歴史的かけとも響いた。

 だが、今年もその主張をいかにも自明のように、肩の力を抜く形で繰り返したといえる。その基盤にはイラクに加え、アフガニスタンでの民主化やエジプト、レバノンでの民主主義の風が例証となる思考が明白だった。米国内で9・11テロ以来、テロ事件が全く起きていないことも、ブッシュ政権の実績とされている。

 ブッシュ大統領の外交、安保面でのこうした自負や自信が、今回の一般教書演説ではこのところ後回しの感があった国内政策にも、大胆で包括的なアプローチをとらせたということだろう。

【ワシントン=古森義久】
2006年2月2日 産経新聞3面
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