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インテリジェンスについて語ろう(7) 日本人の閉塞感 打破したい - 大森義夫氏
2006年04月29日
{大森義夫}
昭和14年東京都出身。66歳。東京大学法学部卒。38年警察庁に入り、鳥取県警本部長、警視庁公安部長、警察大学校長などを経て、平成5年内閣情報調査室長に就任。9年まで宮沢、細川、羽田、村山、橋本の5代の内閣で室長を務めた。17年には外務省の「対外情報機能強化に関する懇談会」の座長として、インテリジェンス機関「対外情報調査庁」の創設などを盛り込んだ答申をまとめた。現、NEC顧問。


-- 戦後60年あまり、日本は「情報」について事実上、アメリカに頼りきっていました。独自の情報を持たない国家は、独自の外交も、独自の政策も進められません。知性によって、日本人を閉塞状況から解き放ちたいとしていますね。

大森 十分な背景を知らされないまま、アメリカの行動に追随しているような「対米追随感」、中国のいいように翻弄されているのではないかという「対中無力感」が広がっています。「わが国は一体何を根拠に、どんな目算で対外政策を決めているのか」という不信感ですね。最近になって国民の閉塞感や焦燥感はむしろ強まっているように感じます。

-- 情報を収集し、政策に生かすまでの過程を「インテリジェンス・サイクル」といいますが、日本にはそれがなかった。

大森 まず、「国家が政策を決めるために、こういった情報が必要だ」という情報ニーズがなければいけません。それにしたがって情報を集め、分析、検討し、政策に生かす。反応を見てまた次の情報を集める、といったサイクルです。日本の場合、スタートがなっていないから、サイクルが動き出しません。そして、何か起きたときに、ものすごく慌てるわけです。

-- 情報、諜報というと、やれ「戦前の特高警察の復活だ。スパイ活動をやるのではないか」などとアレルギー的な拒否反応を示す勢力も阻害要因になるのではないですか。

大森 それはあると思います。それに、日本はこれまで、幸か不幸か、国際社会で決定的な修羅場に直面するようなことがなかった。「インテリジェンスは大事だ」と言いながら、問題を先送りしているうちに、60年が過ぎてしまいました。ただ、時代は大きく変わって来ていますよ。何より、「インテリジェンス」という言葉が通じるようになりました(苦笑)。

-- 確かに、情報に対する認識やニーズは高まっているようです。外務省が在外公館に情報専門の担当官を置く制度も動き出しましたね。

大森 例えば、「中国の政治」をずっと見続けるスタッフを作る制度ですね。実はこれまでにも、外務省のノン・キャリアの人の中には、”情報のプロ”がいたのです。それなのに、他の分野の仕事をさせられたりして、なかなか情報に集中できなかった。だから、「とてもいい制度が出来た」と喜ばれているようです。今後、インテリジェンスを専門に行う機関が出来た場合、彼らと「協働」するケースも出てくるでしょう。
 これまでの日本にはインテリジェンスがなかったこと、今こそ必要になっていることは随分理解されてきたと思うのです。「あと一歩」。それを踏み出すだけですよ。

2006年04月29日 産経新聞2面記事
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