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日中対論(3) 原点戻り平和友好の道を - 中江要介氏
2006年04月26日
【胡錦濤国家主席の靖国参拝に関する発言】
《中国の胡錦濤国家主席が3月31日、北京を訪問中の日中友好七団体との会談で、小泉純一郎首相の靖国参拝を批判するとともに、「日本の指導者達が、A級戦犯の祭られている靖国神社に参拝することを、これ以上行わないということになれば、首脳会談をいつでも開く用意がある」と延べ、参拝中止が首脳会談再開の前提となるとの考えを示した発言。唐家璇国務委員も代表団に「これからの日本の指導者に対しても述べたものだ」と強調した。》


 今の日中関係は昭和47年に国交正常化したときの原点から大きく外れてしまっている。残念だし悲しむべきことだ。

 胡錦濤国家主席の「靖国参拝がこれ以上行われないなら、首脳会談をいつでも開く用意がある」という発言に対し、批判する声があるようだ。しかし、そうした批判は言葉の端々に言いがかりを付けているような感じがする。むしろ、胡主席がそう言わざるを得ない原因がどこにあるかということを、加害者である日本は反省すべきだ。

 小泉純一郎首相が「靖国参拝は心の問題」というなら戦争責任も心の問題だ。「話せばわかる」と言って何年が経つか。言葉だけで自分は日中友好論者だと言われても本当とは思えないだろう。

 日本遺族会長の古賀誠元自民党幹事長が「靖国にお参りするときは、心の中でA級戦犯は分けている」と述べているそうだが、そんないい加減な発言をするから靖国参拝をやっている間は、そういう政治家とはまともに付き合えないということになってしまう。

 あの戦争をどう見ているのか、戦争責任は誰が負うのか。それを率直に話せないなら、首相を代わってもらうまで待つしかないと(中国側が)判断しても仕方がないのではないか。(首相交代を待つという)その部分だけ取り上げれば、ずいぶん失礼な話ではあるが、なぜそんなことを相手が言うのかよく考えてみないといけない。

 中国が一番求めていることは、日本が再び侵略するような軍事大国になってほしくないということだ。だからそれに反するようなことは何が起きようと中国は文句を言うだろうと思う。

 私が大使として北京に在勤中も一番の問題は靖国問題だった。ちょうど今と同様、中国と韓国が大騒ぎした。だが当時の胡耀邦総書記は知日派で、日中国交正常化の原点に立った人だった。いろいろ問題はあるが話し合いで解決しようと、自ら「中日友好発展についての4項目の意見書」を出された。その意見に基づき日本側も努力し、当時の中曽根康弘首相も参拝を控えようということになったわけだ。

 日本と中国は、制度もイデオロギーも違う。しかし、その相違があっても平和友好を築くべきだし、築くことが可能であると共同声明に合意しているのだから、その原点に戻って努力すべきだ。(談)

{中江要介(なかえ・ようすけ)}
日本日中関係学会名誉会長。大正11年生まれ。京大法学部卒業後、外務省入省。条約局法規課長、アジア局長などを歴任。昭和59年から中国大使を務め、62年、退官。

2006年04月26日 産経新聞5面記事
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