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インテリジェンスについて語ろう(2) 情報活動の全体像 見えない - 大森義夫氏
2006年04月24日
{大森義夫}
昭和14年東京都出身。66歳。東京大学法学部卒。38年警察庁に入り、鳥取県警本部長、警視庁公安部長、警察大学校長などを経て、平成5年内閣情報調査室長に就任。9年まで宮沢、細川、羽田、村山、橋本の5代の内閣で室長を務めた。17年には外務省の「対外情報機能強化に関する懇談会」の座長として、インテリジェンス機関「対外情報調査庁」の創設などを盛り込んだ答申をまとめた。現、NEC顧問。


-- 日本にも、内閣情報調査室(内調)をはじめ、公安調査庁、警察庁、防衛庁、外務省など、情報機関や情報収集を行っている部局があります。「情報」に関して、日本は、国際社会から、どう見られているのでしょう。

大森 問題点は大きく二つあると思います。一つは日本から情報が漏れてしまうこと。かつては「政治家に話すと漏れる」といわれたものですが、今は行政組織(官僚)からも漏れてしまう。防衛機密の問題などでは、アメリカから警告されています。
 もう一つは、国家としての情報活動、情報組織の全体像が見えないことです。アメリカのCIA(中央情報局)などは、日本のいろんな省庁に”情報担当者”がいるため「誰と話していいのか」と困惑していましたね。

-- 各省庁間の縄張り意識、縦割り行政の弊害もよく指摘されるところです。

大森 私が内調にいたとき、他の組織から重要な情報をもらったことは一度もありません。内調の室長は警察庁から出ているので世間では"警察の出先"のように思っていますが、警察でさえ、いい情報は絶対、内調には伝えない。そして、それぞれの組織がバラバラに集めた、断片的な情報、分析されていない情報を幹部が個別に首相に報告する。首相のパワーが強い小泉内閣になって、この傾向は顕著になっています。もともと情報収集能力が低い日本で、各機関が情報を奪い合っている構図は情けないとしかいえません。

-- 各機関が情報を共有しないのは、「(他に話すと)情報が漏れるためだ」とも聞きますが。

大森 各省庁共通の情報安全基準(クリアランス)を作ればいいのです。例えば、Aランクの機密情報は、外務省の北米局長や警察庁の警備局長といった人だけに伝える、といった政府全体の基準です。これがあれば、一定のレベルの人たちで、情報を共有できることになります。

-- 法整備の問題もありますか。

大森 現在の日本で守秘義務を課しているのは国家公務員法による一般職の公務員だけです。閣僚や国会議員、軍事技術などの開発などに携わる民間人などには法的な義務はありません。国民全体やマスコミを広く対象にする必要はありませんが、少なくとも、国家的な機密に触れる人を対象とした秘密保護の法整備は必要だと思っています。

-- 民間企業の中には、先端技術漏洩を防ぐために、社員のパスポートを預っている会社もあるそうですね。

大森 企業だって本当はそんなことをしたくない。でも、現在の日本ではそれぐらいしか自衛手段がないのです。先端技術は日本の貴重な知的財産です。さらには、テロ支援国家に渡って軍事技術に転用される危険性もあるのに、防ぐ手立てがほとんど無い。その実態こそが、日本の問題点なのです。

2006年04月24日 産経新聞2面記事
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