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日中対論(2) 責任明確化 対日重視の姿勢 - 朱建栄氏
2006年04月23日
《東シナ海の石油ガス田開発、首相の靖国参拝など最近、日中間の摩擦が際立っている。こうした中、中国の胡錦濤国家主席は、さきの橋本龍太郎元首相ら日中友好7団体代表との会議で、「日本の指導者が靖国参拝を繰り返し、日中関係を損なった」と強調、日本側の反発を買った。首相の靖国参拝をはじめ今後の日中関係はどうあるべきか。識者4人に聞いた。》


 日本での胡錦濤主席の発言についての報道は、真意が伝わっていない。胡主席発言は対日重視のメッセージだ。私が注目しているのは、日本国民の靖国参拝には反対しない、小泉純一郎首相も個人の気持ちとしてはわかるが、一国の指導者には外交責任もあるということだ。靖国に合祀されているA級戦犯は、14人のうち13人は対中侵略責任者にあたり、靖国問題は内政と外交の重なるところだ。

 20年前の中曽根康弘内閣時の官房長官談話も、参拝の目的は「戦没者一般を追悼すること」だが、「過去におけるわが国の行為で多大の苦痛と損害を被った近隣諸国の国民の間にA級戦犯に対し礼拝したのではないかとの批判を生んだ」事を中止の理由に挙げた。

 2月に(首相側近の)中川秀直自民党政調会長らが北京で中国要人と会談した。中川氏らは「中国側にリスクをとっていただけるなら、積極的に応える」という表現を使った。首脳会談をしてから小泉首相がまた参拝すると、胡主席が中国国内で批判されかねないリスクを負う。3月に胡主席の外交ブレーン、鄭必堅氏が再度、東京で中川氏からその説明を受け、「首脳会談をしてほしい」といわれた。中国側はこれを日本の正式メッセージと受け止め、公で応えるため急遽、胡主席発言になったと聞いている。

 中国は「靖国」を切り離そうというメッセージを日本に送っている。中国は戦争当時の指導者が悪かったということにし、今の日本国民とは良好な関係を築くという選択肢を取った。A級戦犯が合祀されている靖国に現役首相が行くのは、中国国内で世論が騒がしくなるから、何とか解決したいのが中国の本音だ。

 良好な日中関係には、双方の努力が望まれる。日本はこれ以上、靖国問題について中国に公式発言を控えてほしいと求め、中国も日本国民の良知を信じ、日本が戦後、抜本的に変化したことをもっと理解していく必要がある。日本側には小泉首相もポスト古泉も、早い段階で外交上のトゲを永久に抜き、解決法を見出すよう期待したい。東洋的な解決法は幾通りもあるはずだ。日中ともアジアの大国として早く過去を乗り越え、両国民の友好に努め、アジアの未来への責任を果たしてほしい。

{朱建栄(しゅ・けんえい)}
東洋学園大人文学部教授(国際関係論)。1957年、上海市生まれ。華東師範大卒。86年に総合研究開発機構(NIRA)客員研究員として来日。92年、学習院大で政治学博士号取得。96年から現職。

2006年04月22日 産経新聞4面記事
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