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日中対論(1) 反発の素地「靖国発言」裏目 - 茅原郁生氏
2006年04月23日
《東シナ海の石油ガス田開発、首相の靖国参拝など最近、日中間の摩擦が際立っている。こうした中、中国の胡錦濤国家主席は、さきの橋本龍太郎元首相ら日中友好7団体代表との会議で、「日本の指導者が靖国参拝を繰り返し、日中関係を損なった」と強調、日本側の反発を買った。首相の靖国参拝をはじめ今後の日中関係はどうあるべきか。識者4人に聞いた。》

 胡錦濤主席が日中友好7団体との会議で、首相の靖国参拝に触れたのは逆効果だった。胡主席は戦争責任を指導者に限定し「国民は別だ」という論理で釘を刺したつもりだったのだろうが、靖国問題に関する日本人の国民感情や昨年の反日デモへの鬱屈した思いから、些細な発言でも日本国内で反発が出る素地があったことを十分に想定するべきだった。

 中国共産党は中央集権的統治を行う一方、民意を無視しては政権が成り立たなくなっている。江沢民前国家主席が自らの指導基盤の弱さ、カリスマ性の無さを愛国教育で補って求心力を増したのと同じく、胡主席は不満を外に向けるため靖国問題を持ちだした。

 今までの日中関係で最も不幸だったのは、日本が歴史問題という負い目を抱えているため、中国に対し強く自己主張してこなかったことだ。

 国民の多くが小泉純一郎首相を支持するのは、中国に敢然と立ち向かうリーダーというイメージが首相にあるからだ。これまでの歴史問題のように「ごめんなさい」と言って引き下がれば、中国を居丈高にさせる。

 中国も引けないのだろうが、この問題は放っておき、沈静化を待つことだ。ポスト古泉候補の安倍晋三官房長官や麻生太郎外相が他の人との違いを旗幟鮮明にするため中国を批判しているのだと思う。日本にも退けない部分があり、核心部分はいくら言ってもダメというレッスンを中国に与えないといけない。

 靖国参拝は政治家が個人の信条に基づいて行うことだ。国のために心ならずも亡くなった魂に後世の者が感謝を示すのは当り前だし、靖国に首相が参るのも当然だ。ただ、日本側も「A級戦犯」が合祀されていることについて努力する必要がある。戦場で亡くなった人達を祭る原則がルーズになっている。A級戦犯については必要に応じて別の神社を作って祭り、首相は堂々と靖国神社を参拝すればいい。

 胡主席の発言の背景に、日中関係を改善したいという意欲があることも見落としてはならない。これに対し7団体側は明確な反論をしなかったが、日本側のこうした態度が日中関係を悪くした。お互いに言い合うことが真の友好につながる。

{茅原郁生(かやはら・いくお)}
拓殖大学国際開発学部教授(中国政治学)。昭和13年生まれ。防大卒。陸自師団幕僚長、防衛研究所研究部長などを経て現職。外務省中国課出向の経験もある。

2006年04月22日 産経新聞4面記事
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