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米中首脳会談 片思いの「戦略的パートナー」中国、対米積極姿勢も限界
2006年04月22日
 20日の米中首脳会談では中国側が米国を対等な「戦略的パートナー」扱いし、グローバルな課題に緊密に共同対処するという姿勢を熱心に示した。だが米国側はその対処を限定して、中国の統治の根幹に絡む人権抑圧や民主主義不在を提起し、期せずして両国間の差異に光を当てる結果となった。中国首脳の訪米では史上最大と評される抗議デモも中国側の独裁と現状での対米接近の限界を印象づけた。

 同会談では前後の演説を含めて胡錦濤国家主席の対米強調への異様なほどの積極姿勢が目立った。「米中両国の21世紀の建設的かつ協力的な関係」を強調し、特に「戦略的」という用語を連発して、両国間の経済、貿易、安保などの諸案件だけでなく、アジア地域全般やグローバルな諸課題までに米中両国が「戦略的な立場」から共同で指導的に取り組むというような意向を繰り返した。

 同主席の対米接近への媚びに近い熱意は50年前の朝鮮半島での対米戦争を棚上げし、60年前の対日戦で「米国はファシストの侵略に対し中国との共闘で数千人の英雄的な犠牲を出した」という言葉にも象徴された。そしてこの種の一連の声明は米国のクリントン政権時代に米中両国が「戦略的パートナー」と称された時代への復帰の意図をうかがわせた。

 これに対しブッシュ大統領は米中関係自体を「非常に重要な関係」と評するにとどまり、「戦略的利害」の米中共有も国際テロ、大量破壊兵器の拡散、伝染病蔓延など第三者からの特定の脅威への対応に限るという感じの抑制した言辞に終始した。胡主席は対米接近の理由として夕食会での演説で中国がまだ人口の多い貧しい国だからと強調し、その弱い状態から脱するには平和な国際環境を保ち、超大国の米国と経済強力を進めることが不可欠だと説明した。この言明は期せずして中国の対米接近が国力強化の手段であり、その強化達成の後にどんな対米政策をとるかはまったく不明だという現実を映し出した。

 しかしブッシュ大統領は冒頭の歓迎演説から中国との不一致をも率直に表明するとして「中国の国民の人権や自由の尊重の重要性」を提起した。同大統領はより具体的に中国が自国民の「結社、言論、信仰の自由」を認めるべきだとも述べ、一党独裁の中国と民主主義の米国との基本的な体制や価値観の差異に光をあてた。

 中国の民主主義抑圧の現状は胡主席の訪問にあわせてワシントンで実施された「法輪功」支持者らの抗議デモからも印象づけられた。「中国首脳の訪米では史上最大の反対デモ」だという数千人の集まりはワシントン中心部で終日、気勢をあげ、「中国共産党は残虐な行為をやめよ」というような横断幕が多数、掲げられた。

 ブッシュ大統領はかねてその民主主義体制を礼賛する台湾についても「一つの中国」原則への同意を述べながらも、「台湾独立は支持しない」という言明にとどめ、あくまで平和的な解決を期待することを強調した。他方、胡主席は武力解決の可能性も排さない事を明言し、「米国は台湾独立に反対している」と一方的に述べて、米側との姿勢の違いを鮮明にした。

【ワシントン 古森義久】
2006年04月22日 産経新聞6面記事
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