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中国反日デモは中国共産党の民族主義教育の産物 -何清漣氏
2006年04月10日
{何清漣(かせいれん)}
中国の女性経済学者、ジャーナリスト。中国で大学教員、党宣伝部職員、地方紙記者を経験。中国の経済改革の構造的問題をえぐった 「中国現代化の落とし穴」(邦訳・草思社)icon が1998年に中国でベストセラーになったが、同書の発禁処分など当局の圧力が強まり、2001年に渡米した。現在、「中国人権」(本部ニューヨーク)上級研究員。1956年、中国湖南省出身。
 4月で1年を迎える中国の反日デモについて、在米の中国人ジャーナリスト、何清漣氏は、中国共産党政権が天安門事件(1989年)後に強化した民族主義教育の結果だったとの分析を示した。ワシントンの保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」(AEI)での講演で述べた。何氏は「日米は中国の国内矛盾のスケープゴート役」と指摘し、党主導の偏向教育が続く限り、同様の事態が将来も繰り返される可能性を示唆した。

出発は天安門事件


 日本側で「反日教育」として不満の高まる中国の「愛国教育」だが、何氏はその核心がマルクス・レーニン主義に代わって中国共産党の独裁を正当化する「民族主義」「国家イデオロギー」の植え付けにあると指摘。こうした教育の延長線上にある激しい反日行動を指摘することで、「反日教育は行っていない」とする中国政府の公式見解が詭弁に過ぎないことを示したかたちだ。

 中国が民族主義を教育の柱にすえた背景として、何氏は
  1. 天安門事件の原因を「自由民主など西側ブルジョア思想の影響」と総括した結果、思想統制の出直しが政治課題となった
  2. ソ連崩壊により、「共通の敵」に対して手を組んできた中国と米国などの関係が転機を迎え、遠慮なく民族主義を発散できる環境となった
- を挙げた。

 こうした教育の目的は、中国共産党支配の権威強化にほかならない。

政治目的持った教育


 教育宣伝の手段として、何氏は
  1. 教科書・学校教育
  2. マスコミ宣伝
  3. 文芸工作
- を挙げる。

 政治目的を持った教育の内容はどんなものか。何氏は、
  1. 米国の民主制度など資本主義社会をことさら醜悪に描く
  2. 虚実ないまぜにした記述を使い、中国と外国の関係を「収奪と被収奪」の関係で規定する
  3. 米国などが中国の強大化を恐れ、常に中国を押さえつけていると教える
- の3点を指摘。このうち2.と3.が「中国の若年世代が民族主義感情を抱く源泉だ」と述べた。

 中国のマスコミ報道については、党中央宣伝部を頂点とする統制に改めて言及。米中、日中、台湾問題など対外的な重要テーマでは、報道各社の独自取材は事実上存在せず、国営新華社通信の報道に準拠する状況が続いていると述べた。

諸刃の剣


 教育からマスコミ、文芸まで総動員した民族主義の精神培養について、何氏は「それ自体は目的ではない。すべては独裁政治のためだ」と語る。官僚腐敗、貧富格差の拡大や生態環境の悪化など山積する国内矛盾のもとで、中国当局が国内統制を保つため戦略的に編みだしたのが、民族主義への依存だったという。

 「民主政治や人権、自由といった普遍的な価値観に反対する若年世代を育てることで、国内矛盾は外に振り向けられる。米国、日本は国内矛盾のスケープゴートだ。日本の国連安保理入りに反対するため、中国の青年が大規模な反日デモを起こすよう政府がうまく事を運んだのは、その一例だった」(何氏)

 だが、民族主義は中国政府にとって「諸刃の剣」になる可能性がある。何氏は「民族主義の広がりが政府への圧力となったとき、当局はためらうことなく弾圧するだろう」と語った。

2006年04月05日 産経新聞6面記事
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