cutting edge
スポンサーサイト
--年--月--日
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
米「外交評議会」研究員の対中政策新提案
2005年10月31日
 米国の有力外交研究機関「外交評議会」上級研究員のマックス・ブート氏は、保守派の有力雑誌に米国の新しい対中国政策を提案する新しい対中国政策を提案する論文を発表した。同論文は中国を米国への長期的な脅威と定義づけ、経済交流は続ける一方、外交的な封じ込めや軍事的抑止などの強固な新政策を提示し、中国の拡張に備えたアジア版集団防衛同盟の結成や、特に日本が米国と共同での対中軍事抑止を強めることを訴えた。

 外交問題の若手の論客として知られるブート氏は、ブッシュ政権にも近い保守派の雑誌「ウィークリー・スタンダード」10月最新号に「中国の新世紀へのプロジェクト」と題する長文の論文を発表した。

 同論文は米中関係が最近、中国側の「反国家分裂法」、中央アジアからの米軍の駆逐、大規模な軍拡、中国軍将軍の対米核攻撃発言、ベネズエラなどの反米政権との協調、東アジア首脳会議からの米国の排除などの諸要因で2001年以来の最悪状態になったとして、特に今年春の反日デモについて「北京政府はアジアでの米国の最大の同盟国の日本を狙い、暴動デモを組織した」と述べ、米国敵視の動きとみなした。

 また、中国が米国の覇権への挑戦を強め、長期には米国にとって脅威となる唯一の大国になったと明言し、今の中国の米国への挑戦は100年前のドイツや日本のイギリスへの挑戦に似ているとして、全体主義の新参国家の既存の国際システムへの平和裏の統合が難しいことは歴史が証明した、と述べている。

 同論文は中国当局や新中派が「中国の平和的発展」を説くが、中国の日本に対する暴力デモや潜水艦での領海侵犯、台湾に対するミサイル大量配備が軍事膨張体質を立証し、軍事戦略も常に米国を「主敵」とするとして、「中国はグローバルではないにせよ、地域的な君臨を目指すことは間違いない」と断じている。中国のこの動きからの米中衝突を避けるために、米国は今後、中国に対し
  1. 経済的統合
  2. 外交的封じ込め
  3. 軍事的抑止
  4. 国内的転覆
を主要因とする新政策を採ることを提案した。

 同論文によると、経済統合では米側は貿易や投資の拡大により中国側の覇権追求を抑え、国際システムへの融合を目指すべきだが、今の中国共産党はかつてのドイツのように資本主義を拡張主義と結びつけ、国内では偏狭ナショナリズムを煽って独裁統治の正当化に利用しているため、米国には他の対中抑制政策が不可欠となる。外交的には米側は韓国、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシアなどの民主主義諸国をまとめ、中国の支配権拡大を封じ込めるべきだという。

 軍事的には米側は中国の軍拡全体や台湾などへの侵略を抑えるためにアジア太平洋の民主主義諸国に防衛強化を呼びかけ、特に台湾の軍事強化を激励し、アジア版のNATO(北大西洋条約機構)のような集団防衛同盟の結成を目指すべきだという。米国は特に日本の役割拡大を重視すべきで、日本が自衛隊を海外に派遣しにくい現憲法を改正し、さらに防衛費をGDP(国内総生産)1%以内に抑える政治規制を廃して、米国とともに対中軍事抑止力を強めるよう要請すべきだとしている。

 同論文はさらに大胆な新対中政策として「国内転覆」をあげ、「民主主義促進」とか「人権擁護」の名の下に中国の独裁政権の変更を目指すべきだと提案した。その非軍事的な手段として米国政府が
  1. 中国内部の民主主義や人権の弾圧をより幅広く提起する
  2. 中国向けの「自由アジア放送」などの放送を拡大し、インターネット規制の防止策もとる
  3. 中国の反体制活動家、民主活動家に脚光を浴びせ、支援する
などの措置をとるべきだという。

 ブート氏は自らをレーガン保守主義者あるいは保守本流とみなす気鋭の学者だが、政治的にブッシュ政権の支援母体に極めて近く、そうした陣営からこうした強固な対中政策が提案されるようになった事は、注視に値する。

【ワシントン=古森義久】
2005年10月31日 産経新聞2面
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
コメント :
パスワード :
秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
/ Template by sukechan [ laughing cat custom version ]
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。