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[論考 中韓の教科書]韓国編(5) 対北、過去は忘れて和解
2005年07月06日
 韓国は朝鮮戦争(1950-53年)から50周年の2000年6月、当時の金大中大統領が記念式演説で戦争責任は旧ソ連の指導者スターリンにあるとし、北朝鮮の侵略責任をついに”免罪”にしてしまった。戦争による韓国側の犠牲者は死傷者150万人(中学『国史』から)。「同族殺し合い」だったあの戦争の後遺症は、分断の悲劇として今に続く。

 ところが日本の「過去」についてはあれだけうるさく、エンドレスで「謝罪と反省」を要求し続けている韓国が、北朝鮮の「過去」は問おうとしない。しかも日本と違って北朝鮮は一度も「謝罪」や「反省」をしたことはなく、その国家体制にも基本的に変化はないというのに。

 国定の中学歴史教科書『国史』の朝鮮戦争の項では、これまでは「南進する北韓共産軍」として北朝鮮軍の戦車が進撃する写真が大きく出ていた。

 ところが現行の教科書からは削除され、破壊された市街地や捕虜収容所など”おとなしい写真”に変わっている。記述の量も減っている。

 ただ幸いにも戦争の発端については「(北韓は)1950年6月25日未明、38度線全域にわたって南侵を敢行した」と今のところ(?)北朝鮮による侵略を明記している。高校『国史』も同じだ。

 しかし選択科目の高校『韓国近・現代史』になると「北韓共産軍は国軍(韓国軍のこと)が北進したとして、宣戦布告もせず攻めてきた」と記述し、北朝鮮支援の中国軍の介入についても「自国の安全を守るという名分で軍隊を派遣した」としている。

 つまり北朝鮮や中国側の主張を、それが韓国としては本来は認められない言い分に過ぎなくても、そのまま両論併記的に紹介しているのだ。しかし相手が日本となるとこうはならない。日韓近代史で双方の主張を両論併記的に記述した日本の教科書は「歪曲」といって非難してやまない。

 北朝鮮による被害については朝鮮戦争後のビルマ(旧ミャンマー)での韓国大統領一行に対する爆弾テロ(1983年)や大韓航空機爆破事件(87年)をはじめ各種の国家テロなど教科書ではほとんど記述されていない。

 逆に「南北でそれぞれ独裁が強化され敵対感情が高まった」(『韓国近・現代史』)と韓国政治における「独裁」をわざわざ指摘し南北を等距離に見た「どっちもどっち」という記述になっている。

 この論法は結果的に北朝鮮の独裁状況やテロ体質など体制批判をやわらげ、北朝鮮の歴史と現実から目をそらす結果になっている。

 その代わり韓国の教科書が強調しているのが「北朝鮮の変化」や「南北統一への努力」であり北朝鮮との和解・協力の話だ。高校『国史』には2000年6月の南北首脳会談で金大中大統領と金正日総書記がにこやかに笑っているカラー写真も掲載されている。

 日本の「公民」に当たる教科書『道徳』では特に北朝鮮に対する融和的記述が目立つ。

 小学5年の『道徳』では「一つの心で平和統一を」という一章があり、過去の歴史抜きで国際スポーツ大会での南北統一チームや、平壌芸術団の公演の様子、食料や肥料支援など明るい話で満ちている。

 章末には「心に刻もう」として「北韓住民の生活に関心を持つ/平和統一のための活動に関心を持つ/北韓住民が困っているときは助ける/平和的に統一すべきという信念を持つ」-ことが挙げられている。

 中学2年『道徳』の場合、最終章で南北統一の話が35ページにわたって記述されている。北朝鮮の宣伝誌に出てくる「明るく豊かで活気がある」ようなカラー写真がたくさん掲載されている。「北韓社会に対する理解」では教育や文化、集団生活など北朝鮮当局の説明をそのまま批判抜きで紹介し、さらに「そんな中でも北韓の人たちは温かい人情を持っている」とあくまで優しい。

 そして「今や北韓を敵対的な相手として認識したり北韓の否定的な面だけを強調する態度はあらためなければならない」「お互い理解し許す姿勢を持つべきだ」「相手の立場に立ち理解しようという努力は南北関係を進展させる」という。

 批判や問題点の指摘よりひたすら”理解”だというのだ。韓国の教科書の北朝鮮認識は国際的な常識から遠くなりつつある。

黒田勝弘氏 産経新聞2005年7月6日付朝刊記事

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