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[論考 中韓の教科書]中国編(1) 政権に左右される歴史
2005年06月14日
 まず、次のアピールを読んでいただきたい。

 《血塗られた南京大虐殺から60余年がたちました。今日、中国と日本の中学生は当時の南京城内、長江(揚子江)河岸のあの凄惨な虐殺をどれだけ知っているでしょうか。(中略)一衣帯水の隣邦には永遠の平和が必要です。平和のため、南京大虐殺を永遠に再現させないため、筆をとって君の同世代-日本の中学生に手紙を書きましょう。異国の同世代に君の知っている南京大虐殺を教えてあげ、君と君の祖国の平和に対する熱愛を伝えましょう》

 これは中国の子供向けに書かれた反日団体のビラではない。中国教育省系の人民教育出版(本社・北京)の中学歴史教科書「中国歴史・八年級上冊」に掲載された課題の一節である。


 北京の日本大使館などが投石を浴びた中国での反日デモは、中国政府が学校現場で進めてきた「愛国主義教育」に対する日本の懸念をかきたてた。「愛国無罪」を叫ぶ激しい反日意識が、こうした教育の結果ではないのか、という疑念や不満だ。

 日本の歴史教科書を厳しく批判する中国側だが、国外からの反論には拒絶反応を示す。上海の日本総領事館が投石に見舞われた直後の4月19日、中国外務省の奉剛報道官は「中国の愛国主義教育はいわゆる反日教育ではない。(中略)これまで国民、特に若い世代に反日・排日感情を教え込んだことはない」と、中国の公式見解を繰り返している。

 産経新聞は、やはり日中間で歴史教科書をめぐる議論が高まった2001年に中国の教科書を2度にわたって連載記事で取りあげた。今回新たに入手した日本の中学、高校にあたる「初級中学」(9年生義務教育課程の7年級以上)と「高級中学」の歴史教科書は、この4年間にそれぞれ改訂され、とくに高校の歴史科目については、学習指導要領にあたる「教学大綱」そのものが2002年に改定されていた。

 新しい歴史教科書を通読した結論をいえば、「反日教育」を否定する公式見解が、普通の日本人を納得させるのはまず無理だ。「広範な日本人民と一部の軍国主義者は区別する」といった”線引き”を中国側がいくら設けても、この教科書で勉強すれば日本の子供ですら反日になりかねない。

 冒頭に引用した課題は、「日本の中学生に手紙を書こう-南京大虐殺を忘れることはできない」と題した日本の中二に相当する学年向けのものだ。平和な日中関係を築き、南京事件(1937年12月)のような一国の首都を舞台とした戦争の惨禍を繰り返すまい、という点であれば、普通の日本人に全く異論はないだろう。

 だが、この活動課題では、南京事件など日中の歴史教科書論争に関する資料収集と分析を通じて、生徒に「愛国の情と社会への責任感」を高めることを目標として背負わせている。取り上げるべき内容として指導されているのは、ざっと次のようなものだ。
  1. 「死者30万人以上」「百人斬り競争」といった中国側が認めた「史実」(いずれも同教科書には記載)
  2. 日本の「右翼分子の歴史教科書」での南京大虐殺に対する歪曲された記述
  3. 日本政府の歴史教科書に対する審査状況
 -など。

 どうやら、01年の歴史教科書問題を契機に新たに設けられた課題らしい。こうした手紙が日本の中学生の元に組織的に送りつけられているとすれば、日本の社会通念では、もはや歴史教育や国際交流の枠を離れた「プロパガンダ(政治宣伝)」となってしまう。

 新たな為政者の手によって「正史」が書かれるのは、司馬遷の時代から続く中国の伝統である。戦後60年を経てなお外交や国民感情に影響する日中関係の記述にとどまらず、新中国成立後の中国政治史や対米関係などの現代国際関係となると、中国共産党政権の都合によって教科書の記述が大きく左右されている。


 歴史認識をめぐり日本との摩擦が絶えない中国と韓国だが、両国の教科書では日本についてどう伝えているのか。それぞれ5回にわたって論じてみたい。

山本秀也氏 産経新聞2005年6月14日付朝刊記事


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