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国連再考 第6部 (10) ‐ デッドウッド
2003年12月26日
 世界銀行で二十年以上も働いた欧州のエコノミストから数年前に「デッドウッド」という言葉を聞いたときは、びっくりした。 デッドウッドとは文字どおりには枯れた枝、人間を指す場合には、役に立たない人、という意味である。 日本の大蔵省(現財務省)から三年ぐらいの任期で送り込まれてくる官僚たちを外国の正規職員たちは陰でそう呼ぶというのだ。 英語での実務処理や見解発表の能力、開発途上国の実態の把握、その支えとな...

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国連再考 第6部 (09) ‐ 日本基金の運用
2003年12月25日
 日本が世界銀行やIMF(国際通貨基金)の資金面で果たす役割は、これまでも報告してきたように、巨大である。 拠出も出資もすべて米国に次ぐ第二位の額を担ってきた。 世銀グループに出す資金のほぼすべてとIMFに出す多くの資金は、日本政府の予算ではODA(政府開発援助)として扱われる。 ODA予算全体の中で世銀・IMF関連に投じられる分は23%くらいから30%近くにも達する。 絶対額では近年は年間二千八百億円とか三千億円とな...

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国連再考 第6部 (08) ‐ 途上国開発援助
2003年12月24日
 開発途上国の経済成長を草の根レベルから推進することを主張する国際NGO(非政府組織)の「フィフティ・イヤーズ・イズ・イナフ(五十年で十分)」は、ここ数年、活動上の攻撃の標的をIMF(国際通貨基金)に絞ってきた。 この組織「五十年で十分」はその名の示すとおり、ブレトンウッズ体制としてIMFと世界銀行ができてもう五十年、その体制が目標とする途上国の開発も、半世紀にわたる従来の方法ではやはりうまくは実現できな...

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国連再考 第6部 (07) ‐ IMF廃止論
2003年12月23日
 「IMF(国際通貨基金)は廃止されるべきだ。 ただし廃止にはゆっくりと時間をかけて、いまの人材を他の目的に、もっと効果的に活用できるようにすべきだ」 一九九八年十二月、当時、米国のスタンフォード大学教授だったジョン・テイラー氏はテレビのインタビューで淡々と語った。 穏健派保守派とされた著名エコノミストのテイラー氏はブッシュ政権が登場すると間もなく、財務次官に就任した。 二〇〇一年六月、担当は「国際経済...

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国連再考 第6部 (06) ‐ 総裁への脅威
2003年12月22日
 「ウォルフェンソン総裁はすぐ怒りを爆発させ、公式の場でも世銀の部下を激しく叱責して屈辱を与える。 彼は部下に説く価値観や振る舞いを自分では実践しない。 世銀の管理職はみな恐怖におびえている」 ウォルフェンソン氏は二〇〇〇年に世銀の総裁に再任された直後、世銀内部の士気低下の原因について率直な意見を無署名で出すことを職員全般に求めた。 その結果、中東・北アフリカ局の幹部職員から提出されたのが総裁自身に...

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国連再考 第6部 (05) ‐ 総裁
2003年12月21日
 世界銀行のジェームズ・ウォルフェンソン総裁は十二月一日夕、七十歳の誕生日をニューヨークのカーネギーホールで祝った。 豪勢といえばこれほど豪勢な誕生パーティーもまずない。 自分の誕生日だけのためのコンサートを天下のカーネギーホールで催したのである。 ウォルフェンソン氏の多様な趣味の中にはチェロ演奏がある。 同氏は七十歳の祝いにカーネギーホールを借り切って、有名音楽家を含むオーケストラに演奏を依頼し、...

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国連再考 第6部 (04) ‐ 途上国援助
2003年12月20日
 世界銀行とIMF(国際通貨基金)の起源も国連と同様に第二次世界大戦にさかのぼる。 大戦の勝敗の展望が確実となった一九四四年七月、米国が主導する連合国の代表は米国ニューハンプシャー州の小さな町ブレトンウッズに集まり、戦後の世界経済の復興と安定について話しあった。 四十四カ国が参加していた。 その結果、世銀とIMFの創設が決まった。 だから国連と同様、この両機関も戦勝国の戦後対策の一環だったわけだ。 ただし...

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国連再考 第6部 (03) ‐ 官僚主導の日本
2003年12月19日
 世界銀行とIMF(国際通貨基金)の政策や理念を根幹から揺さぶったのは米国の経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏の一連の見解発表だった。 なにしろ二〇〇一年頃まで世銀の上級副総裁と主任エコノミストを同時に務めた著名な経済学者が辞任したとたんに世銀とIMFのあり方を激しく批判し始めたのだ。 しかも同氏は批判を始めた年に情報経済学という新分野での業績でノーベル経済学賞を受けた。 スティグリッツ氏は九三年三月、発...

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国連再考 第6部 (02) ‐ 官僚の親睦会
2003年12月18日
 ワシントンに「ファイナンス会」という名の日本人の集まりがある。 会の趣旨は公式には「日本の金融・財政に興味のある人たちが個人の資格で情報交換や親睦を深めるための会」とされているが、実態は世界銀行やIMF(国際通貨基金)に出向してくる財務官僚が主体の集まりである。 その証拠に会の運営は世銀やIMFで財務官僚が配属される日本理事室の有志があたる、と明記されている。 ファイナンス会の最近のリストをみると、正会...

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国連再考 第6部 (01) ‐ 最後の桃源郷
2003年12月17日
 国連の専門機関とされる組織に世界銀行と国際通貨基金(IMF)とがある。 国連本体とは異なるが、広い意味の国連システムに含まれる国際機関である。 日本ではその名が頻繁に聞かれながら、実態はベールに包まれた感じの強いこの両機関を国連全体の再考の枠において光をあててみた。◇ 米国の首都ワシントンに巨大な本部ビルを並べる世界銀行とIMFはともに創設以来の最大の試練に晒されるようになった。 両機関の根幹を揺さぶるその...

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国連再考 第5部 (10) ‐ 普遍性へチャレンジ
2003年12月05日
 国連は第二次世界大戦の悲惨な結果への反応として結成された。 国際連盟は第一次世界大戦の結果だった。 だからいまの国連に代わる新国際組織も世界大戦ほどの衝撃がなければ、生まれえないとする説がある。 そんな大戦はもうないだろうから、国連も絶対に今のままの形が続く、という認識につながる。 とすれば、いくら欠陥やゆがみがあってもいまの国連を受け入れるほかにない、という結論ともなる。 国連改革論にはこんなあき...

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国連再考 第5部 (09) ‐ 2つのアプローチ
2003年12月04日
 国連のあり方についてこれまで五部五十回にわたって再考を試みてきた。 出発点としては日本での信仰や幻想に近い国連観をあえて踏み台としたため、国連の欠陥や短所など負の部分の報告が多くなった。 まず現実を直視することの必要性からだった。 国連にはもちろん効用も長所も多々ある。 実際に達成した業績も多い。 なんと言っても世界の平和と安全の維持を目指す唯一のグローバルな国際機関なのである。 発足以来五十八年の...

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国連再考 第5部 (08) ‐ 日本人の専門職員
2003年12月03日
 国連への期待が高いのとは対照的に、国連での日本人の存在がきわめて希薄なことも、日本の国連観のアイロニーの一つであろう。 日本の国連への分担金の額と日本人国連職員の人数との極端な落差はこれまでもさんざん提起されてきた。 私自身が国連本部を実際に初めて訪れた一九七〇年の時点では事務局の日本人の専門職員は三十六人だった。 補助的職務の一般職や短期の臨時職を除く職員の数だが、国ごとの分担金を主要基準とする...

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国連再考 第5部 (07) ‐ 憲法と常任理事国
2003年12月02日
 日本の国連安保理常任理事国入りの展望について佐藤行雄前国連大使は前向きな予測を語る。 「安保理改革が実現した際には日本が常任理事国になるのは当然という見方が国際社会では一般的となった。 明確に反対しているのは北朝鮮だけで、中国も大勢が日本支持で固まれば、最後まで反対することはないとみられる」 確かに国連に最大の分担金を払う常任理事国の米国も行政府はクリントン、ブッシュ両政権とも、日本の常任理事国...

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国連再考 第5部 (06) ‐ 日本と常任理事国
2003年12月01日
 国連について日本がこれから具体的に考えねばならない最大課題の一つは、安全保障理事会の常任理事国入り問題である。 この問題は国連側だけでも複雑な要因が多数絡みあい、難解を極めるパズルのごとく、回答の模索は果たして答えがあるのだろうかと思わされるほど難しい。 日本国内でも政治家や国民の意識に憲法までが絡んで、国のあり方や価値観にさかのぼり、答えをまとめるのは難しい。 日本にとっての国連の現状がおかしい...

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